クリオンの変革

島田和子

 

 

   ―命懸けの日々―

 

 昨年(2007年)5月14日フィリピンの統一地方選挙で、クリオン愛の会会長のフランシスコ・エスピナさんは、クリオン市の市議会議員3期目2位当選(得票数は1位。金の力で人の心を買う体制派の汚い手口により2位に)を果たしました。

 

金持ちが何処に付くかで当落が決まり、その額と順位が一致する程の国です。アロヨ大統領は金持ちの実業家を送り込み、地元の体制派有力者も金の力で立候補し、巨額の金が動きました。その上彼は国軍による反体制派ブラックリストに載り、暗殺の危機がひたひたと迫っている中での選挙でした。普通では有り得ない当選でした。

 

貧しさにあえぐ人々の90%以上がエスピナさんを支えました。クリオンの人々と社会を守るためにがんばらねばならない、と身を捨てて島民の幸せのため島全体の平安のためにのみ働いてきた彼です。貧しい島民達が心底信頼を寄せた結果でしょう。

 

私達も最大限支えました。支援金はアロヨ側に比べれば余りにも僅か。しかし彼は、『市議3選は神のご意思』と信じ力を得て、祈りと真実の心で頑張りました。

 

 一方、フィリピンキリスト合同教会(UCCP)代表のパスクア主教は、3月14日米上院公聴会でアロヨ政権を糾弾。政府と軍によるUCCP牧師達を始めとする反体制派への弾圧暗殺の証言を行いました。これは全米のみならず、世界に向けて発信されました。やはり文字通り、国を人々を守るため命懸けの行動でした。当然ブラックリストの上位に載っています。

 

 市議三期目に上位当選した後7ヶ月の間、エスピナさんは彼をおとしめようとした人の嘘の中傷〈彼は愛の樹からの教育資金を搾取している〉に苦しめられました。市長(アロヨ大統領が送り込んだ人)と地元有力者の副市長(金持ちの医者)から給料と補助金をストップされ、11月7日からはクリオン全市に戒厳令が敷かれるに至りました。

 

〈真実は正反対。教育資金の不足分は全て補助金と彼の給料で補ってきたのです〉

 

しかしこの間にも、10月7日にパラワン州議会議員選挙があり、圧倒的得票で1位とも僅差の3位当選を果たしました。

「州議会議員として環境保護と少数部族の権利回復のために中心になって働きます」と力強い声。

 

そしてこの一週間後、少数部族の社会であるバランガイ(全14バランガイ)で選挙が行われ、ついにフィリピン史上初めて彼等の自治権と土地の所有権が確定しました。エスピナさんの長年の悲願でした。選ばれたリーダー達の殆どはエスピナさんの支持者でした。

 


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