火山国日本では、温泉が様々な病や傷を癒してきました。
温泉はブームにとどまらず、最近では、がん治療のひとつとしても注目を集めています。
温かい湯につかり、血流をよくすることは、低体温化している現代人には、ますます必要なことかも知れません。
低体温と病気が密接な関係にあると言われると、妙に納得してしまいます。
しかし、温泉の成分によっては、むしろ体に害を及ぼすものがあることを留意したいと思います。
そのひとつにラジウムがあります。
ラジウムを含有した温泉のある湯治場は、「奇跡の湯」と呼ばれ、駆け込み寺になっています。
しかし、キュリー夫妻によって発見されたラジウムは、ご存じの通り、放射線を発しており、かつては医療分野で使用されていましたが、
WHO(世界保健機関)において発がん性があると指摘され、現在アメリカでは医療分野での使用を禁止しています。
それは、リンパ腫、骨肉腫、白血病などを引き起こし、細胞や臓器にも悪影響を与えるためです。
ラジウム泉の仕組みは、一種の被爆状態をもたらすことで、細胞レベルに変化を及ぼしているのです。
ラジウム泉で評判の湯治場のホームページもそのことは明記されていますが、
それがどのような副作用を引き起こすかは触れられておらず、
ある研究(微量の放射線照射が生物の成長や繁殖などへの効果をもたらすこともあるという説)をよりどころにしているに過ぎません(放射線ホルミシス研究)。
ヒロシマ、ナガサキの恐ろしさを知っている私たちに、これでは疑問の解決にはなりません。
最近ブームの岩盤浴の中にはラジウムを発する物質を取り入れたものもあり、湯治場だけでなく、街中にも被爆施設が作られつつあるわけです。