ロバート・ブラウニングの詩をお届けいたします。全編32節で構成されています。今回は12節までお送りいたします。
格調高い文語体です。解説抜きでお届けいたします。

(六)

されば  平坦な地上に波瀾(はらん)を巻きおこす
一つ一つの挫折をも  歓迎せよ、

立つも座るも得しめず  ただ進ましむる一つ一つの刺(とげ)をも!

我らの喜びに  四分の三の苦しみあれかし!

力闘し、易々として尽瘁(じんすい)せよ。

学びて  疼痛を物ともせず、挑んで  劇痛に呟(つぶや)くな!

   (七)

それ故に  ━━ 一つの逆説だが
それは嘲(あざけ)りつつも
 慰めるもの ━━

人生は失敗と見ゆる処(ところ)にて  成功する。

私が成ろうと熱望したのに
成り得なかったその事が  私を慰める。

私は野獣となり得たであろうに

しかし  その様にまで  落ち込むを欲しなかった。

  (八)

その肉が  霊をして適合せしむるもの

手足を動かそうとしてのみ
魂が働くもの

野獣でなくして  彼は何であろう?

人間に対しては  この試験(テスト)を課してみよ ━━

その身体が最高潮のとき

如何に遠くまで  汝の魂を投射しうるや、その孤独の道に?

  (九)

されど賜物は  その効用を立証すべし。

私は認める、若き日は身技ともに

力みなぎり、いかなる場合にも完全であった。

わが目と耳とは  その分け前を受け取り、
頭脳は  全きものを貯えたものだ。

一度ならず心臓は  ときめいたではないか、

「生きて学ぶは  如何に善きかな」と。

  (十)

一度ならずときめいた、
「貴神(なんじ)に誉あれ!

私はその筋書(デザイン)の全てを見る、

かつて完(まった)き力を見た私は  今や完き愛を見る。

貴神の御計画は完全なりと
私は叫ぶ。

私は人でありしことに  感謝する!

創造主(つくりぬし)よ、改造し、完成なし給え、

貴神の為し給うことに  私は委ねまつる!」と。

  (十一)

楽しからずや、この肉は。

わが霊魂は、その薔薇色(ばらいろ)の網の中にて

つねに地に引かれつつも、安息を慕う。

ある素晴らしきものを  我らは捕らえたし、

獣の所有する  これら多彩なものに対抗せんために。

最善を尽くしたごとく、最大を得ん!

  (十二)

我らは口ぐせにも言うまい、
「この肉を顧みずに  今日まで
私は競い、精進し、概して進歩した」と。

鳥が羽ばたき歌う如くに  我らは叫ぼう、

「すべて善きものは  我らのものだ。
霊が肉を助けるように  今や肉も霊を助けるのだ!」と。

後、3回で終了します。

愛川英雄
愛の樹オショチ†

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