先生は婿養子の方に遺言をしたと後でお聞きしました。
吉冨はひっそり死にたい。
誰にも通知してはならない。
私は虫の知らせで、息子さんに手紙を出しました。
受けとった返事に先生が91歳で静かに天に召されたとしたためてありました。
私への遺言は特にありませんでしたが、
もし連絡が来たら、吉冨は先に行く
と書かれていました。
思い返せば孤児同然の先生の生きざまは壮絶の一語に尽きます。
幼い日、空腹のあまり畑の土を食べて、飢えを凌ぎ、神に生涯を捧げた神の愛の伝道者でした。
私の生きざまは吉冨先生を抜きにしては語れないのです!